ナイル・デルタの湿地でパピルス舟を操る漁師たち
鉄器時代 — 1,200 BCE — 500 BCE

ナイル・デルタの湿地でパピルス舟を操る漁師たち

夜明け前のナイル川デルタの湿地では、紀元前800年ごろの下エジプトの漁師たちが、パピルスの茂る浅い水路に小さな葦舟や木造舟を浮かべ、編んだ亜麻の網を投げて魚を追っています。周囲にはトキやカモ、ガンが群れ、豊かな浅瀬にはティラピアが泳ぎ、さらにカバとナイルワニが潜むこの風景は、第三中間期のデルタが人びとの糧を支える一方で、野生の力にも満ちていたことを物語ります。石造神殿ではなく、泥と葦の世界に営まれたこうした日々の漁労こそ、古代エジプト社会を支えた重要な暮らしの一面でした。

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