メッカのカアバ神殿でタワーフを行う巡礼者たち
盛期中世 — 1000 — 1300

メッカのカアバ神殿でタワーフを行う巡礼者たち

12世紀アイユーブ朝時代のメッカにおいて、金糸の刺繍が施された黒い「キスワ」に包まれたカアバ神殿を中心に、世界各地から集まった巡礼者たちが「タワーフ」を行う様子が描かれています。灼熱の太陽の下、未縫製の白い綿布「イフラーム」を身に纏った西アフリカから中央アジアに至る多様な民族が等しく信仰を捧げるこの光景は、中世イスラム世界の広大な広がりと精神的な結束を象徴しています。周囲を囲むビザンツ様式由来の柱列や、遠くに見える簡素な石造りのミナレットは、近代化以前の聖地における厳かな静謐さと、過酷な旅路を乗り越えた巡礼者たちの熱狂を鮮明に映し出しています。

Other languages