始新世のテチス海河口に潜む初期のクジラ、アンブロケトゥス
古第三紀 — 66 — 23 Ma

始新世のテチス海河口に潜む初期のクジラ、アンブロケトゥス

古第三紀の海
中期始新世(約470万〜430万年前)のテチス海沿岸では、茶褐色の汽水がニッパヤシ(Nypa)の茂る河口をゆっくりと流れ、干潮で現れた泥洲にはカキの仲間 Ostrea が密生していました。画面手前で半ば水に浸かるアンブロケトゥス(Ambulocetus natans)は、陸上を歩く力強い四肢と水中生活への適応をあわせ持つ、クジラ進化の初期を示す“歩くクジラ”です。水路の縁を巡回する長吻のディロサウルス類や、水面をかすめるトンボは、この温暖な始新世の河口が捕食と競争に満ちた生態系であったことを物語ります。

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