火星の研究所にある虹色の有機菌糸体量子コンピュータ
太陽系拡張 — 2500 — 3000

火星の研究所にある虹色の有機菌糸体量子コンピュータ

西暦2588年、太陽系拡張期の火星に位置する新京都バイオラボでは、生物学と量子計算が融合した「マイセリアル・ロジック・コア」が稼働していました。琥珀色の合成脳脊髄液に満たされた透明な槽の中では、遺伝子改変菌類*Armillaria computatrum*の菌糸が脳のような複雑なフラクタル構造を形成し、バイオレットの光を放ちながら量子もつれによる情報処理を行っています。0.38Gの低重力に適応した長身の技術者が傍らに立つこの光景は、人類がシリコンを超え、有機的な「ウェットウェア」によって知性の限界を拡張した時代の到達点を示しています。

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